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高レベル放射性廃棄物処分~日本学術会議の政策提言

提言

【高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言~国民的合意形成に向けた暫定保管~】

平成27年(2015年)4月24日 日本学術会議(高レベル放射性廃棄物の処分に関するフォローアップ検討委員会)

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このような提言が日本学術会議からありましたので、紹介してみたいと思います。

実際に使用済み核燃料といっても、フクシマ原発事故で有名になった「燃料プール」の中で冷やし続けなければいけない。30年とも50年とも言われています。また、MOX燃料だと100年ではないか…とさえ言われています。

それから処分が始まる…。

さて、この学術会議の提言について

  • ★国が、地層処分選定を進めていくという政策を堅持してるが、原子力政策に関する国民的合意の欠如
  • ★総量管理」の考え方を取り入れるべき …一体どのくらいの量の使用済み核燃料があるのか、現在稼働してる原発からも、発生し続ける問題。
  • ★暫定保管」(地上施設での乾式貯蔵、30~50年)

「暫定保管という考え方は、地層処分についての安全性確保の研究並びに国民の理解と合意形成を図るための期間を確保するために設けられたものであり、地層処分のための冷却だけでなく、それ以上の目的が含まれる。すなわち、暫定保管とは、高レベル放射性廃棄物を、一定の暫定的期間に限って、その後のより長期的期間における責任ある対処方法を技術的および社会的に検討し、決定する期間を確保するために、安全性に厳重な配慮をしつつ保管することである。暫定保管という管理方式は、いきなり地層処分に向かうのではなく、問題の適切な対処法策確立のために,モラトリアム(猶予)期間を確保することにその特徴がある」

  • ★事業者の発生責任と地域間負担の公平性…
  • さまざまな政策提言団体をつくって、検討していく…専門家集団の中核には、原子力事業の推進に利害関係を持たないもの
  • ★地層処分地の選定は、地下水路のないところ…自律性・第三者性・公正中立性を確保して、社会的信頼を得られるように…専門家の利害関係、公募推薦制、公的支援の原則

原子力政策の独善性について、指摘をして、国民の合意を得ることにもっと力を注ぐべきではないか(いきなり地層処分ではなく暫定保管の期間の間に理解を得よ)、という点と、使用済み核燃料の総量について開示すべしという指摘は、当然のことだと思います。

現在、北海道の神恵内(かもえない)村と、寿都(すっつ)町の自治体が、地下処分場に手を上げて、まさに議会で決定されんばかりの現状です。

しかし、運び混まれる予定のガラス固化体はいったいぜんたい、どのくらいの量になるのか?説明受けてるのか、すべての情報を彼らに提供されるとは到底思えません。ある意味、だまし討ちに近いような形です。

夜8時になったら、みな眠ってるような地域で、高レベル放射性廃棄物を受け入れる義理があるのか?

さらに、学術会議の提言で指摘されてはいませんが、ガラス固化体…という技術が確立されておらず、このアイデアに執着することで、事態が悪化してること。そのための時間稼ぎ、暫定期間(30~50年)という提案のようにも思います。

原子力施設の誘致に関しては、いきなり、経済団体で誘致期成会ができて、地元の商工会も理解を示してる…となると小さな自治体では反対するよすがもない。頼みの漁協が折れたらもうオシマイ…という流れが、原発建設の現地でお決まりのパターンのように思います。また、関西電力のスキャンダルのように、地元のドンなる人物と電力会社や政治家との、黒い結びつきの話。一度それらの核関係施設ができてしまえば住民自治などほど遠く、人の歩いてない街に不似合いな巨大な建築物がたちならぶゴーストタウンがいくつも、日本にあります。税金の無駄遣いです。

そういうことをもし、一人の住民が気づいたとしても、あまりのパワーバランスの差に浄化することはほぼほぼ不可能に近いし、命の危険すら感じてきたと思います。億単位のお金が飛び交う話を止める…ということは、億単位の損失があるということですから。それらすべてのお金が国民の税金や電気代なのだという謙虚さはどこにもないのです。

高レベル放射性廃棄物という無理難題の前に、まず、システムの浄化を望みます。民主主義を冒涜しないためいに意志決定に時間をかけ、情報をすべて開示すること。それから、税金を大切にして自分勝手に原子力産業が使い込まないこと。

国民に理解されたいと思ったら、現状を正直にあらいざらい告白すべきであって、「もう少しできます(ガラス固化体)」などと言うべきではないと思います。

また、処理方法、処分地なども決まっていないのに、核のゴミを生産し続けることは、倫理観が欠如してるのではないでしょうか?

原子力発電に熱をあげた時代ももう終わりを迎えてるように思います。熱心に日本に推進した人も亡くなりました。

原子力を導入、YES!NO!も言えなかった世代が、処分を背負わなければいけない。若い世代が自由に議論ができるように、しませんか?

処分施設ができあがるころ、生きてない人たちが、負の遺産を決定していいのか?

この問いに、いったい誰が答えてくれるのでしょうか?

 

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