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黒い雨裁判…100ミリの呪いがとけはじめた

8月6日ですね。

今日は、オリンピックで黙祷もない、NHKも特番をくまないということで。

国が乗っ取られるというのはこういうことなんだなぁ。

商業イベントで毎日打ち上げ花火があって、花火の下の国民は、病院に入れてもらうことさえできない。

ヒロシマに新型爆弾が落とされたとき。

日本の陸軍の上層部の人でも「原子爆弾ってなんだ?」と言ってるレベルだったそうです。

良い戦争も悪い戦争もなく、戦争は殺しあいなのだから、強力な武器を求めることが勝利につながる。

さまざまな記録を読んでいても、

日本の武器は、「いいなりになる徴兵してきた青年たち」しかなかったことがわかりますし、いちばんの問題は「戦争に勝つ」ことが目標だったのか首をひねるようなことが多々あります。

むしろ「戦争をし続ける」ことが、目標にすり替わっていたように思います。

原爆投下…という恐ろしい出来事を、人類は、ちゃんと体験しつくしたのかな?

76年たってようやく黒い雨裁判の高裁勝利で終わり、国は上告をあきらめました。

(国だって裁判で勝てないことがあるのですから、NPOが異論を唱えることを法律で禁止するというのはおかしなことですからね)

8時15分から始まる悲劇の体験集…。証言集。たくさん出ています。これまでに。

★爆心地からの距離の問題。

爆心地からの距離で、死ぬ時間が決まっていく人もいる。ナガサキで被ばくした秋月辰一郎(医師)の体験談には、もともと放射線医だった彼の鋭い観察眼によって、「放射線による被害」を察知。そして、爆心地から近い人から順に亡くなっていくことに気がつきます。

肥田舜太郞先生は、原爆投下直後、爆心地方面からたくさんの「人とは思えない化け物のようになった人たち」が歩いてきて、軍の備蓄があった村にもどってそこに救護所をつくります。

まさに全身の皮膚がたれさがって腕を前に出して歩いてる人たち…。

想像しただけで恐ろしいですよね。

一瞬のピカッとひかった熱線によって、衣服もやけ髪はやけてちりぢりになり、表皮がたれさがった状態。

なぜ、腕を前に出すか…というと、そうしないと、腕からたれさがった皮膚がおなかにくっついて(おなかの皮膚もまたたれさがってるので)痛いから…。

今、原爆資料館にはそのような被害を受けたことがわかるものは、展示されてないでしょう。絵も蝋人形も撤去されてしまい「ホンモノ」しか置かないと。ホンモノって何さ。被ばくした三輪車とかガラスがつきささったタンスとかやけこげた弁当箱。

私はそこから何を感じたら良いのかよくわかりません。無人の街、ヒロシマで大きな火事があったんでしょうか?

写真は有名な相生橋で被曝者が集まってる写真ぐらいでしょうか?

さて、肥田先生が気づいたのは、家族を探しにヒロシマにやってきた人たちも倒れていくことです。

★入市被ばく

直接ピカの光をあびてない人たちが、あとからヒロシマナガサキに「入市」してなぜ倒れていくのでしょうか?

熱を出して口内出血して脱毛して…下痢して…。もちろん「鼻血」も。

これも被曝者認定の中で、何時間以内にヒロシマに入った人…という時間制限がもうられていきます。

ここからおかしな話、というか無理スジ理論になっていく。

つまり、当時のヒロシマの「外部」被ばく線量が、高かった時間はこのぐらいなので…。

「距離」と「時間」でなんとか、分断をつくりだす被ばく理論が、ここからつくりあげられ、虚構の100ミリシーベルト理論ができあがっていきます。

岩波ブックレット684『被爆者はなぜ原爆症認定裁判を求めるのか』

この図をご覧になっていたけれだばわかると思います。

★無視された「死の灰」による内部被ばく

この放射性微粒子の挙動について、井伏鱒二「黒い雨」を科学者たちは読んだのか?と問いたいです。

彼は、小説というスタイルで、あのときヒロシマで起こってたことを、写実しています。

どれほどの人たちが、原因不明で突然たおれてなくなっていったことか。

距離や時間などで分類など仕切れない。

探しにいった家族が先に家に帰ってきて、あとから探しに行った人が家にもどってきて先に亡くなってしまう…なんて事例はいくつもあるのです。

そういう「事実」の原因解明の放置…。

そして黒い雨裁判の闘い。

ここでも、被害を隠しきれない、彼らの図式、距離×時間の中に入らない膨大な「例外?」で被害を受ける人たち。

みな、あとから被害が出てきます。

私(もう少しで60歳になります)が子どもの頃は、突然病気になって亡くなる…ヒロシマで実は被ばくしてたんだ、という小説や漫画でも多く語られていました。

今ならば、「被害者の感情があるから言うな」ということになるでしょう。

しかし、前述の死の灰の雲をみたら一目瞭然です。雨がふろうがふるまいが放射性微粒子が広範囲に舞った。

★「雨が降った、大量か少量か…」

という話を延々裁判でやらなければいけない。当時の国民は等しく投票権などもっておらず、お金持ちが投票して政治家を選び、大本営ができあがり、彼らが満州を守るためにはじめた太平洋戦争。

原爆投下に国民の責任などないのに、被害を国が認めない…。

(裁判があるだけ,マシですが、最高裁までいったら、「男女別姓」を否定した裁判官たちですので、国民が負けることは目に見えていました)

このキノコ雲をみたら、ビキニ水爆実験の人たちの被ばく。

第五福竜丸だけじゃないんです。当時、マグロを捕ってた船は。

そしてフクシマ。

放射性微粒子の挙動で多くの被ばく者が出てる。

でも…「100ミリじゃない」として、「被害のない安心していい被ばく」かのような言いつくろいが、今の日本で展開されてきています。

秋月先生の体験談でも、肥田先生の体験談でも、黒い雨でも、原爆投下後9年後のビキニ被ばくでも、どこをどうひっくり返しても「100ミリ」という数字はそぐわない。

しかもそれは、「100ミリまで被ばくしてはじめてガンのリスクが…云々」という話です。

でも…ガンになるには長生きしないとなれない。

その前に、突然死、あるいは、病気になってそれがいくつもの病気になって病気が悪化して亡くなる…というパターンのほうが「被ばくの実相」です。

「被爆の実相と被爆者の実情」(1977 NGO被爆問題シンポジウム報告書 発行 朝日イブニングニュース社)

この時点での後遺障害に苦しんでる人たちの自覚症状症状(被爆後、急性症状あり、急性症状なし ほぼ同じ割合)

(この医療アンケートは2km以下、それ以上の距離、あるいは入市の人に聞いています)

・鼻水、鼻づまり、くしゃみ

・咳や痰がよくでる

・階段があがるのに息切れ

・立ちくらみ(気が遠くなる、倒れそうになる)

・頭痛

・いつも頭がぼーっとしてる

・身体がだるい、足がだるい

・朝、目が覚めても疲れがひどく、起きにくい

・目が痛む、かすむ(視力低下)

・目前に小虫が飛ぶ感じ

・耳が聞こえにくい、耳鳴り

・手指や身体がふるえる

・手足などの筋がつっぱって固くなる

・出血しやすい(鼻、歯ぐき、皮膚など)

・皮膚にできものができやすい、かゆくなる

・じんましんができやすく、日光、薬、虫刺されにかびん

・歯が痛む、うく感じがする

・歯ぐきがはれる

・口内炎ができやすく痛む

・気になることがあると胃腸や心臓にひびく

・たびたび寂しく、みじめな気持ちになる

え?この症状がなんなの?同じような症状めずらしくもないよね?

って。そもそも、被爆者の距離…の裾切りは、被爆直後に放射能カウンターなどありませんし、どのような被害がでるか誰にもわからなかった。

「被爆の実相」という言葉がその状態をとらまえてると思います。

上記の症状は、チェルノブイリの汚染地に在住してる人々にも共通しており、子どもたちの症状にあてはまります。

いくつもの症状がいずれ、抵抗力が落ちたとき、いくつかの病気を発症し、重症化して亡くなったりガンになる。

それが「チェルノブイリの実相」だとしたら、

55基もあった原発から黙々と見えない死の灰がばらまかれ、フクシマでヒロシマ型原爆の死の灰の168発分という過小評価であっても死の灰もばらまかれて、2020年の私たちは、当たり前のように「被爆の実相」の中にいるといっても過言ではないでしょう。

(出展、放射線被爆の歴史 中川保雄)

中川保雄さんの著作を見れば、被ばく者の症状を聞き取って、被爆の被害は2km、3kmのところで裾切り、した経緯が書かれています。厚生省などが公表してるヒロシマの被ばく線量をみても、胸のCTスキャンなんて、怖いわ…と思いませんか?このピンクのところまでは被ばく者認定される確立は高い。それ以外を裁判で争ってきた。

どこにも、100ミリの被爆の数字など出てこないのです。

それはすべてを外部被ばくで説明してきた誤謬です。

また、内部被ばくモデルも、人の身体を球体のようにみたて、中に入った死の灰の放射線が均等に人体に被害を与えるというふうにごまかしを考えています。

お風呂の中でおしっこをしてるようなごまかしです。

実際には、内臓、組織のある部分を死の灰が放射線ビームで攻撃することで、そこの組織が破壊されると考えた方が「実相」にあってると思います。

これらごまかし芸が、原子力業界の出し物です。日本だけでなく世界の原子力産業や組織もみな、難しい理論を振り回して、ガンになる確立とか、そういう話でそらしていきますが、後遺症が出る前に「おびたたしい実相」があることを隠しています。

一億総被ばく、みんなで被ばくしたら怖くない?

いや、私は仲間に入りたくない。

子どもたちも仲間に入れたくない。

あのヒロシマやナガサキの、放射能雲の下を自分の皮をはがされて、さまよい歩かされた人たちの苦痛を自分にも起こりうることと考えたら、核禁止条約に参加することが、被爆国日本の責任だと思います。

その被害の実相を世界に知らしめることで、はじめて、世界に貢献できるのでは?

加害者擁護はいただけない。

チマチマと被ばく者と範囲を細分化することの悪行をすぐに辞めるべきなのです。

チェルノブイリ法をつくった科学者たちが、「おまいら今そこ?」と腹を抱えて笑ってるでしょうね。

みなさん天国で。

ちなみに、フクシマのときに、医療相談会で使用していた、アンケート調査図。

驚くほど、ヒロシマナガサキの被爆の実相とリンクしてる。

 

 

 

 

 

 

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