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1992国際会議資料6 「小児高血圧の病因予測システム」二つの報告 #チェルノブイリ40

1992年の国際会議(救援のための…)の配布資料のご紹介をしています。
今日は、子どもの高血圧が汚染地域で問題となってきていることがうかがえる、関連してる日本の
事故から数年後のときのものですが、大人の心臓死が問題になっていきました。
チェルノブイリの汚染地を訪問すると、「このごろ日本と同じ、カローシっての?それが増えてきたんだよ~」と。
いやいや、農村地帯は1日に、数時間も働くこともない。休日の多い社会でなぜカローシが?
残業して練る間もなく働いた人がカローシなんだから(笑)なんて会話をしていたのを覚えています。
あとになって、死因の50%が心臓関係だとわかってぞっとしたことを覚えています。
その予兆が大人だけでなく、子どもたちにあらわれていて、科学者たちが、その異常のメカニズムをとらまえようと考えていた。

低線量慢性被ばく…症候群。
さまざまな体調の異変から、なんとか出口をさがしだそうとして、あがいていた姿を思い浮かべます。

この資料は、小児における高血圧症の遺伝的素因を解明するために実施された、親子を含む大規模な家族調査の結果をまとめたものです。
研究グループは、血液循環や脂質代謝などの膨大なデータを解析し、発症に関連する7つの主要な指標を特定しました。
その結果、高血圧へのなりやすさを
「高拍出型」
「血管型」
「代謝型」
という3つの病因的タイプに分類する予測モデルを構築しています。この分類を活用することで、子供一人ひとりの特性に合わせた個別的な予防策の立案が可能になります。
さらに、このモデルは成人の初期段階における病態予測にも役立つと期待されています。

二つの報告をまとめたスライド

1)
小児における高血圧の病因的素因の型の分類

.論文の要約
本論文は、小児期における動脈性高血圧(AH)の発症リスク(素因)を、遺伝的・環境的要因に基づいて分類し、予防に役立てることを目的とした研究です 。
対象と方法: 高血圧の親を発端者(調査の起点)とする110家族(388名)を対象に、血行動態や脂質成分など190の指標を測定しました 。
解析プロセス(4段階): コンピュータシステム「OMEGA」を用い、親子の相関や「健常/罹患」のグループ比較から、遺伝性の高いマーカーを28個抽出し、最終的に最も情報価値の高い7つの指標(心電図や容積脈波などのデータ)に絞り込みました 。
結果(5つの表現型): クラスター分析の結果、高血圧の素因を持たない「2つの型」と、素因を持つ「3つの型(高拍出型、血管型、代謝型)」に分類されました 。
素因を持つ型に分類された子どもには、すでに循環調節障害が見られ、完全に健康な子どもはいませんでした 。

結論: 素因を「高拍出型」「血管型」「代謝型」の3つに分類することで、小児や成人発症前の段階における高血圧の個別予後予測と、一人ひとりに合わせた一次予防策の立案が可能になります 。

2)

小児における高血圧予測コンピュータシステム

小児用高血圧予測システム「HYPERPROF」の概要本報告書は、ミンスクの研究チームが開発した小児の動脈性高血圧(AH)を個別レベルで予測・診断するコンピュータシステム「HYPERPROF」について解説したものです 。
本システムは、遺伝学の理論と生体の表現型特徴に基づき、疾患の個別一次予後および予防措置を講じることを目的としています 。システムの仕組みと測定方法迅速性と精度: スクリーニングや臨床検査において、数分以内に80%以上の精度で予後の結論を導き出します 。測定機器: PC(XT/ATタイプ)、光電容積脈波計、専用ソフトウェア等で構成されます 。
入力データ: 安静時および臥位立位テスト時の心拍間隔データ(リズムグラムのモード、変動範囲、ストレス指数など)と、キーボードから入力された血圧値を使用します 。
診断のアルゴリズム取得したデータに基づき、システムは以下の段階的な医学的結論を下します。
AH素因の判定: まず、高血圧発症の素因があるか否かを総合的に判定します 。AH素因が「ある」場合: AHの3つの病因論的形態のいずれかに分類され、一次予防措置が提示されます 。すでに高血圧等の臨床データがある場合は、治療や二次予防策が提示されます 。
AH素因が「ない」場合: 代わりに「神経循環性無力症(ジストニア)」の素因(2つの病因論的形態)の有無が判定され、素因があれば個別の予防推奨事項が提示されます 。
結論と意義本システムは、医療遺伝子分析システム「OMEGA」を用いた家族データの分析(疾患マーカーの検出)を開発の基盤としています 。
遺伝的に決定された表現型特徴を把握し、個別予後を行うことが、小児期からの現実的な一次予防策の鍵であると結論づけています 。

以上、チェルノブイリ事故1986年、報告は1992年なので、事故から5年後に行われた報告でした。
今から振り返ってみると、子どもたちの心臓には、穴があいてる…一つだけでもなく、大きかったり小さかったり。
そのため、徴兵の合格率もさがったほどです。
そのような異変というのは事故から10年ぐらいたってから、保養に来た子どもたちとの会話から、わかったように記憶しています。異変が汚染地域全体に当たり前になりすぎると、人々はそれが当たり前と思うようになってしまいます。
そして…、心臓だけでなく、やはり、甲状腺の不調もまた、影響するのでしょう。

当時は、農村地帯は、夏は子どもたちは、舗装されてない道路をはだしでかけまわってるようなのどかな地帯でした。
原発事故前は病気の子どもはほとんどみかけず、学校の保健室ぐらいの診療所があるだけ。
しかも、食べ物は自給自足だったので、ほぼオーガニック、遺伝子組み換え食品などない世界。
むずかしい病気など見たことも聞いたこともない世界が、事故のあと、子どもたちの異常がどんどん積み重なっていき、科学者や医師たちが頭を抱えていたのだなと、思いました。
想像してみてください。
北海道の農村地帯の小さな村で、子どもたちが急にぜんぞくになったり、貧血になったり、高血圧で元気がなくなったり。
その異変を予防したい…という人間らしさをもった科学だったのだと思います。
当たり前のように思いますが、なかなか、そのような哲学を完遂できるものではないのもまた人間世界です。
すべては、人間のすること…。どのように問題を解決していくか…。
あらためて考えさせられます。

この報告はあくまでも、事故から5年ごろのものです。
そこから、もっともっと子どもたちの体調は深刻な事態(さまざまな症状が複合して)になっていきましたし、このような予測システムでは、対応しきれないことにはなったと思います。さらに、より本格的な研究もつみあがっていきました。

注:ロシア語から、ドイツ語、ドイツ語から英語への翻訳。タイプも手打ち。すべて国際会議のために、ドイツのボランティアの人たちの力も大きいです。
しかし、手打ちのため、DNAが、DNKになってたりします。それは間違いというより、ロシア語やドイツ語ではそのようにいうそうです。そんなわけで、今回は、手打ちのタイプを、AIが読み込んで英文テキスト化にして、ところどころ修正しています。

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