BLOG

ヨウ素剤をふたり一組で配布してあるく防災計画

北海道庁でいただいた泊地域の緊急時対応(全体板)
泊地域原子力防災協議会

道庁にいけば、防災計画の資料をいただくことができます。
普通には二枚組のカラーコピーしたものを渡していただけるのですが、コピーにコピーを重ねているので文字もつぶれています。
上記の全体板は131項目、ありますので、泊原発が爆発したとき自分がどうなるのか?
ちゃんと、北海道にもらいにいって自分で調べてみてください。

まず、いちばん気になるヨウ素剤の配布についてです。

この計画P42には、「PAZ内における防風雪や大雪時の安定ヨウ素剤の配布体制」とあります。
ここに書いてあるのは「超職員ふたり一組」で安定ヨウ素剤を戸別配布……。
北海道人であれば、いやこれマジ無理だろう、とわかります。
この人たちの被ばく線量がどんだけはねあがるんだろう?
これ誰が計画したのか?
そもそも、原発が爆発するほどの複合災害では、町職員が家の下敷きになって出てこれない…という想定しないといけないのでは?
まず、ここで実施できない計画みつけました。

原子炉から死の灰が放出されたあと、身体に放射能が付着します。
いわゆる外部被ばく。
もちろん、空気中にあるので、吸い込んで内部被ばくもします。
しかし、事故のときは、スクリーニング検査といって、いちおうは、体表面に付着してる線量を検査、除染となるながれです。
この計画では40,000cpmという単位で、除染されるようです。
しかし、それはいったいどういう数値なのでしょう?
福島原発事故前は13,000cpmという基準でしたが、人々の汚染がひどく100,000cpmを超えてし待った人たちが大勢いました。
そのため、きゅうきょ、スクリーニング基準を100,000cpmにくりあげたのです。
つまり、除染されないわけです。100,000cpmは子どもにとって100ミリを軽く超えると言われています。
その40,000という数字について、誰が、アンゼンだと言えるのでしょうか?
そのようなデータはこの世に存在しないですので。
ちなみに、ビキニ被ばくのときの船内のあちこちの放射能値は1000cpmもありませんでした。
そのため、彼らはヒバクシャとして認定されることはありませんでしたが、その基準で船内で飲食をしていて、多くの人が病気になって命を落としました。
それも地元の高校生たちが調査してあきらかになったことで、四国など地元の国民健康保険などから医療関係が異常に気付かなかったというのは考えにくいことです。

また、ヨウ素剤を日本の別の地域から運んでくる…という壮大な計画については、疑問にしか感じません。
なぜ、北海道に備蓄できないのか?
原発が爆発したら、誰もがそんなエリアに近づきたくないし、ほかの地域で同時に天変地異が起こったら、そのような想定は実行できないでしょう。
そもそも、放射性ヨウ素を吸い込んだあとで、ヨウ素剤を飲む意味がない。
福島原発事故のときは、ヨウ素を飲ませる基準をくりあげたとして、ほとんどのエリアで飲ませてもらませんでした。
それは特に子どもたちにとって、被害をもたらす重要なものです。
それを名も知らぬどこかの誰かが、いやいや、まだまだ飲ませない…と判断できるということは、支配してることと同義です。
いったいどの数値なら小児甲状腺がんにならない、などと保証できる人がいるのだろうか?
実際、誰かがヨウ素剤を持っていて、事故のときに、どのタイミングで配るのか?
真面目に考えた国では、それができない国だと理解しています。

こうして、まずは、防災計画の3つのページをみてみましたが、どれも実効性に乏しいか、被ばく前提となってることにお気づきでしょう?
本当の避難計画は、被ばく前に安全な地帯に逃げる、それだけです。
この点でいえば、ベント前に、爆発前に、3.11の夜のうちに逃げた、東京電力家族は100点満点なのです。
自分と家族の命を守る…ということに、強欲であってよろしいかと思います。
しかし、自分と家族だけ…の命を守るとなると話は違ってきます。

事故が起きる前に各戸に最低限、配布されるべきもの。
1)ヨウ素剤(定期的に新しいものに更新)
2)防毒マスク(目、耳、鼻、口をおおうもの)
3)防護服
4)放射能カウンター

30km圏内(フクシマでは80km圏内でも足りなかった)には最低配布されるべきですが、電力会社によると、それを計画するのは内閣府とのことです。

なるほど、私たち国民の生殺与奪の権利は内閣府が持っているのですね。

チェルノブイリでも、フクシマでも、共通してることは、「事故のときに、事故処理をしてごまかしきれる、と思っているうちにどんどん被害が拡大してしまい、情報を出さなくなり、住民防護が行われなかった」という点につきます。

チェルノブイリの事故(4月26日)のあと、子どもたちにメーデー(5月1日)で行進させた人をいまでも責任問うべき、という声があることをお伝えしたいです。
被害者がいる事件は、終わりがないということを日本人は知るべきです。
日本でどれほどの親子が死の灰がさんさんとふりそそぐなか、給水車をまっていたでしょうか?

本来であれば、一刻も早く、放射能のない地域へ一時避難させるべきでした。
事故がどのように進展するかまだあのときは不明確だった。
自分が放射能の中に置かれた人は、あそこで捨てられたのだ…と悟ったほうがいいと思います。
チェルノブイリの救援していて、心によく浮かんだ言葉は「棄民」です。

自分が被ばくする立場でものを考えない防災計画であり、現場の人たちをふんだんに被ばくさせる前提であると、しみじみ、ふさぎ込んだ気分になります。

  • ヨウ素剤をふたり一組で配布してあるく防災計画 はコメントを受け付けていません
  • 事務局日記
コメントは利用できません。
ページ上部へ戻る