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10.262025
泊原発再稼働・北電の説明会
泊原発の再稼働のための北電さま主催の説明会を聞いてきました。
怒髪天…という言葉がありますが、
まさにそのような心境です。
3.11の事故の被害をうけた人たちのことを簡単に葬り去ってきた15年。
すでにもう忘れてしまってる人もいるんでしょう。
民族的健忘症…とどなたかがおっしゃっていましたが、まさにその通りです。
いろいろな突っ込みどころはありますが。
結局は…
北海道民にとってメリットがない、という話につきるのだなと思いました。
1)これから電力需要が爆発的に増大するらしい
AIデータセンター
半導体工場
⇒これについては予測がおおざっぱすぎました。しかも人口減時代です。
素朴な疑問ですが、AIデータセンターや半導体工場は電気代を払うだけで、原発事故のときの費用負担や高レベル核廃棄物の処理費用負担などしてくれません。
自分たちで自転車こいで発電して道民に迷惑かけてくれるなと思いました。
2)二酸化炭素排出削減寄与?
これまで日本は国策として、福島原発事故が起きるまでは、55基の原発でじゃんじゃかウランを炊いて、発電してきたのに、地球は温暖化しました。
たかだか、泊原発が稼働しても、温暖を止めるに寄与するなんて話は、遠い話ですよね。
そもそも、陸の温暖化より、海の温暖化のほうが何十倍も地球を温暖化させるそうです。
そこに温排水を投げ込む古い技術なんですよね。
科学技術とはいいますが、もう古いスタイルです。
3)原子力発電は安い!が電気代は安くならない
ⅰ)燃料のウランが安い理由は?
なぜかウランなどが埋まってるところは、荒涼とした大地でそこに先住民が住んでおり、人権保証しない形で土地をとりあげ、被ばく労働前提で、掘り出します。
以前にもブログでとりあげましたが、ニジェールのように自国でウランを算出しながら、フランスがごっそり持っていく。
ニジェールそのものは電気の恩恵を受けないという。
それ、普通に植民地ですよね?
そしてニジェールで政変が起こりフランスを追い出したとのこと。これから世界中でもそうなった場合、本当にウランは供給されつづけるのでしょうか?
格安であってはいけない燃料だと思います。その鉱山周辺の人の健康被害・遺伝の問題などの話も聞きました。
ⅱ)原発労働者の健康保証と補償がないから安い
原子力発電が安い…というトリックの中に、孫請けひ孫請けの労働者の健康障害について、どこまで補償してもらえるのか?
結局は、裁判になって、ながなが地裁高裁まで闘わなければいけない。
それでも、被ばくに関する一定した見解がないので、科学と言うより胸先三寸の判決。
ちなみに、世界の原発労働者が集まった集会がありました。
韓国で組合に入ってる人が40%、ロシアの原発労働者は100%正社員で、試験にクリアしたものしかなれないと。その時点で、会場中シーンとなってました。
被ばくの被害はあとからでますし、がんや白血病だけではなく、心筋梗塞やそのほかいわゆる成人病様の症状が重複したりしますが、それらを被ばくとみなすことは、してないと思います。
フクシマ原発事故の初期に、高線量で働く人たちのの骨髄を採取して冷凍保存しておくべき、という意見がありました。
自分が白血病になったときにそれをつかえば、他人の骨髄を移植して免疫反応起こさずに済むからと。
東電いわく、それは必要ないと。
(うがってみれば、どれほどの人が白血病になるかわかってしまいますよね)
原発の中で働く人たちは、原発ジプシーと呼ばれていました。労働者支援の運動があったときは。被ばくできる許容量がすぎたら、ほかの原発にいってそこでまた働く。そうして身体を壊して働く人たちで成り立っています。
彼らはひ孫請けだろうと一回でも原発にはいったら高線量被ばくする可能性もありますので、みなが社会保険に入れてもらい、電力会社が健康管理をする責任があるはずです。
それをせずに安い安いというのは…戦時中に強制連行して人々を使い倒して捨てていたタコ部屋労働を思い出します。救いがない…という点で。
注:原発労働者の中では 年5ミリシーベルトの被ばくをして労災認定をもらえてる人もいますが、当然ごくわずかで、官僚主義的裁量なので、認められる人も認められない人もいるという日本独特の判定スタイルです。
ⅲ)トイレのないマンション(原発のこと)
高レベル廃棄物はじめ低レベル、事故処理費用などの負担は、国=わたしたち国民負担
で、これらは、原発が安い理由を構成していますが、現在は、津波対策だのなんだかんだ諸費用が膨大にかかっており、それらを電気代に分割で乗せるので、電気代はしばらくは安くならない。
4)運転許可は、原子力規制委員会
事故が起こっても、一銭も身銭を切らない緊張感の組織です。
かれらは運転許可を出すけれど、事故が起こっても責任を負いません。
彼らが泊原発地下の断層をアンゼンであると認定したことは、北海道民に対して説明責任があります。
しかし、官僚主義の抜け穴は大きい
5)事故が起こった時には、自宅待機せよという虐待
放射能プルームが通り過ぎてから、1週間以内に避難…。
身体の弱い人、持病のある人、妊婦さん、小さな子供たち、若者にとって、被ばくさせてはいけない人たちについての配慮はなく、いちかばちかの自宅待機作戦となっている。
これはとうてい信じられない暴挙であり、いっけん、正しいように感じられるが、「放射能プルームが通り過ぎる」という【想定ノミ】しかない恐ろしい話だ。
事故の前に逃げることが放射能にかぶったり吸ったりしないいちばんの安全であるのに。
このような説明を聞いてると、なぜ、彼らは「私たちを被ばくさせていいと思ってるんだろう?」と疑問に思いました。
というわけで、北電の泊原発を動かしたい主な理由をならべたててみましたが、「北海道民として泊原発再稼働を認める大義名分」がなかったですね。
ひとつ気づいたことは。
1988年ごろ、泊原発を動かすときには、北海道の商工会議所がさかんに、「泊原発を動かすことの北海道経済に与えるメリット」を理由に推しまくっていたことを覚えています。
今回は、さすがにそれは恥ずかしくて言えなくなり、半導体工場で電気をたくさん使うので…という。
自分たちで電力さがしてくれとしか思えないですね。
さんざん原発賛成で泊村のとなりの岩内町の道の駅ですら、スガモリしていて、町はさびれきってました。
そして、いつも思います。
安全に地域住民を避難させる責任が、電力会社にないということ。
それは国や地方字体地に…という役割分担。
そのことが、住民を大混乱させるいちばん大きな原因です。
誰がヨウ素剤をあなたの子どもに飲ませてくれるのか?
最悪の想定ができない人たちに、命をあずけられないですよ。
原発事故が起こって、その収束方法もみつけられないくせに、同じ型の炉を動かしたいという。



