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7.122025
政治と宗教の区別がなくなってきている
憲法…というのは、私たちの日常生活では、ほとんどその存在を感じることはないと思います。
しかし、国の設計図といってもいいと思います。
今は、参議院選挙の真っ最中です。
おどろいたことに、明治の憲法(大日本帝国憲法)にいったんもどす…と言ってる政党が出てきました。
え?なんで古い時代の憲法にもどるの?
って、ぎょっとしました。
明治の憲法の一つの問題は、天皇が、統帥権を持っていたことです。
陸海空軍が天皇のもとにあった。
実勢の政治は、総理大臣はじめ内閣が行っていました。
天皇がいちいち、議会に出ていたわけじゃない。
けれど、軍事の指揮権が天皇にあるという、憲法のたてつけが、軍部の独走を可能にしたと言われています。
天皇はすごい、万世一系、天皇は現人神…と言っていた、軍の上層部の人たちのインチキぶりが、よく表れていたのが「天皇の一番長い日」という映画です。
それは、日本が敗戦を受け入れることが決まり、天皇がそのことを国民に伝える声を録音して、8月15日に、そのテープを流す予定になっていました。
しかし、エリート青年将校たちが、その録音テープを放送させたくない、奪おうという行動にでます。
緊迫したその場面ですが、私はかなりシラけてみてました。
というのも、これらエリート軍人たちによって、私の祖父はフィリピンで、自決させられたわけです。
天皇の名において、すべての命令にあらがえなかった。
そこにはまだ、日本人には、人権という発想もありませんでした。
天皇を中心とした国家神道の中にからめられていましたから。
宗教となると、そこから足抜けするのは大変です。
日本国民全員が洗脳された状態です。
で、話はエリート将校たちに戻りますが。
彼らは、「全然、天皇を崇拝してないどころか、天皇の名をかたって、国民を支配してた名義貸し野郎たち」だったんだなというのが映画をみながら感じていました。
おまいら天皇より偉いのか?
教団幹部たちは、教祖より偉かった。
実は、ヒトラーやナチスの研究でも、ヒトラーそのものは確かに演説はうまかったけれど、組織をつくってそれを維持する…という能力まであったとはいいがたい。
そういうカリスマ性ある人のそばに、ナンバー2ナンバー3として、組織の維持が上手な人が入った時が怖い、と言われてます。
オウム真理教のときもそうだったと。
ナンバー2だった人は見事に教団をついでいますよね。
昨今は、マーケティングがすぐによっていって、政党の党首にプレゼンしてるんじゃないでしょうか?
戦争につれていかれる若者たちの叫び声は、ウクライナのひきずり徴兵の映像で耳に残っています。
いったん、戦争となると、もう国民からはすべて奪われます。
外国と戦う前に、国民は国によって、すべて召し上げられてるんです。
その状態でも、国を守るために、正義のために、とおだてあげられて洗脳されて、殺人マシーンとしての存在にされてしまいます。
日本が今度戦争したら、おそらく、国は残らないでしょう。
なので、絶対に戦争という選択肢はとってはいけない。
私の祖父も二十台で自分の子どもが生まれた…という知らせをフィリピンで聞いただけで、一度も抱くこともなく亡くなりました。
しゃれこうべの写真を見ると、わが祖父かもしれぬと、思う。かわいそうに。かわいそうに。
その人たちを「英霊」ともちあげたりすることが気持ち悪い。そんなことで罪滅ぼしになるのか?
もしも、祖父が帰ってきて、父親として生きることができたら、戦災孤児になった私の親の人生も、もっと、困難の少ない人生だったように思います。
親から愛され、親を愛し、ときにはけんかし、孫の誕生を祝い、成長を喜び、フィリピンで集団で自決する最後ではなく、家族にみとられて静かにこの世をさる人生があったはずです。
誰が国のために、異国の地で人生を終えたいと思うでしょうか?
特攻作戦の犠牲になった青年たちがもしも生きていたら、彼らにもまた自分の人生があったはずです。
小汚い顔した議員たちが、ぞろぞろと犠牲になってくれてありがとうと、神社にお参りに行きます。
しかし、戦災孤児になった私の親には、なんのサポートもありませんでした。
親族が育ててくれなければ、野垂れ死にするしかなかったと思います。
ほんとうに、人権のない憲法に戻したい?
というか、なぜ、戻さないといけないのか?
原発事故が起こって、小児甲状腺がんになったり、病気になったりして苦しんでる国民に、保養や医療保証、損害賠償をすることも、すべて人権保証という枠の中で、請求できることです。
人権がなければ、やられっぱなしで泣き寝入りしかない。
(人権があるのに泣き寝入りしてるのがおかしい)
エリート将校たちが、もっともっと戦争を続けたいと願ってるとき、
ヒロシマナガサキでは、皮膚を向かれ焼かれた人々が、生死の境をさまよっていた時。
外地ではどんどん自決が行われていた時。
人類が「人権」という概念を作り出し、人びとを大切にしていこう、という価値観が生まれたのに、どしてまた、明治に強制的タイムスリップしたいんだろう?
そういう日本の不幸な歴史を、日本はまったく子どもたちに教育しそこねている。
校則を守ることだけが、人間として必要な知識ではないと思います。
なぜ、戦争にのめりこんでいったか。
一部の産業がもうかるから、ですよね。
その人たちは国民が犠牲になっても、平気なんです。
性善説だけで、人を見ないほうがいいと思います。
そういう人たちは、信頼されてないので、やっぱり、天皇という宗教性を持ってきて、国民をだまくらかそうとしてる。
反論できなくしようとしてる。
おなじところをグルグル回る…というのは、失敗から学ばないからなんだろうと思います。
原発事故もしかり。
80年前に負けて終わった戦争の話を、勝手に、こんな意義があったとか、良いことしかなかったみたいな脚色をつける前に、自国民を犠牲にしたことを
謝罪したらどうか?まず、それを80年間待ってる人もいるんだよ。