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原発事故死の命の値段 #請戸浜の悲劇

今日はあえて、感情抜きで書いてみようと思います。(書き出すと止まらなくなりそうなので)

請戸(うけど)浜の悲劇
いまは、ググっても、詳しい話は出てきません。

東日本大震災時、津波と地震によって家が崩れて、脱出できなくなった浪江町の請戸浜の人たちがいました。
地震の翌日、3.12日に、なんとか、重機をみつけて助け出しに行こう!としていた矢先

午前5:44分に10km圏内避難指示がでて
救援に入ることができなくなります。

まだ助けて~という声が聞こえていた。
助けられた…家族を残して、人々は立ち去らなければいけなかった。
結局、このエリアに人が入れたのは4月か5月だと言われています。
当然、残された人たちは息絶えています。
これは、あきらかに、「原発事故死」です。
放射能がなければ、重機をもってして、助け出せた命があったでしょう。

ここでいったい何人の人が犠牲になり、いったいいくらの「賠償金」が支払われたのか?
全然、わかりませんでした。
そして、とうとう、「紛争解決センター」なるものを仲介して、東京電力と遺族との和解があったことがわかりました。
これは「賠償金」ではなく、「慰謝料」というククリだそうです。

請戸浜の犠牲者数は173人(遺族374人)

1)1親等(親子・配偶者) 60万円
2)2親等(祖父母・孫)  40万円
3)これ以外の同居家族  20万円
4)遺族が何人いても上限は300万円で、分配する

人の命の値段について、どうこう言うのははしたない、というお叱りをうけそうですが。
それはゆきすぎると、被害者の心を凍り付かせて、発言を奪ってしまいませんかね?
結果的に加害者のためになることを言うのは、控えていただきたい。

この資本主義の社会、謝意は賠償金額であらわされます。残酷にも。

みなさまは、この金額についてどう思われますか?
これって、血統書付きのペットが、なんらかの事故で死んだりしたときの賠償金額とそうかわりなく、
電力会社が、被害者をどう見てるのか?ということの参考になるかと思います。

しかし…疑問が生じます。
この慰謝料…って、「原発事故はおきません、放射能は外に出しません」
といってた時代の金額で、
今は、原発事故は起こりうる…という時代に入っています。
つまり、まったく想定外の事故が起こったのだから、慰謝料をだしたのであって
今は、事故は織り込み済みで運転を国民が認めたのだから
今度からはそんな支払いしませんよ、って言い草になりませんかね?

これだけの事故を起こしておいて、まだ原子力発電は安い、という根拠の一つは、犠牲者を人間の命として扱ってないから、安いと言えるのではないでしょうか?
ある、福島県の方の言葉。
「ワクチン被害の人より安いんだね」
その金額は、賠償金…と呼ばれてるのでしょうか?
慰謝料なんでしょうか?

第五福竜丸の被害者にも、アメリカからお金が支払われましたが、全額、被害者に支払われたわけでもなく、「賠償金」ではなく「見舞金」とされました。

さて、この話をすると
A)この請戸浜の悲劇の話をすると、消防団の人が救援の準備をしていたのに…。
B)10km避難命令さえなければ…混乱が起こった。だからこれからは自宅待機だ
などの意見があります。

Aについていえば、原発事故が起きたときに、地元の人が被ばくしながら、他者を救うことを成した…としても、のちの後遺症に対しての賠償がないことについて、考えていません。
Bについては、これらの混乱についての、官僚組織や電力会社の言い訳に使われています。
このようなことを決める人たちは、自分たちは、救援の現場に行かない人たちです。
つまり、現場(自衛隊や消防など)が被ばくしても、救援に行けよ、という他人ごと計画を立てることが、今回の悲劇の原因となったと反省はしないのです。
オフサイトセンターが、線量が高くて、逃げ出したわけですから、自宅待機など風向きによっては濃密な汚染が流れ、危険な場所もあります。
地元住民には放射能カウンターは配布されていませんので。

建物の下敷きになってる人がいるときに、原発事故が起こった!
また避難計画では、想定していないわけです。

原発事故死は一人もいないなどという政治家もいました。
しかし、しっかり逃げられないで犠牲になった方々います。

どうしても、国民の屍を乗り越えても原子力を運転したい…というのであれば、
この場合は、いくら支払います、というガイドラインを、実績から割り出して、原発運転30km圏内の住民に告知をするべきです。
事故が起きる前に。

防災計画がいかに立派に作られてるか…?
いくら説明しても
実効性の証明にはならないです。
犠牲者への冒涜にしか聞こえない。

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