3:心のリハビリ

子どもの元気のエネルギーの源はなんでしょう? 愛です。それがなければ、まるで水を与えられない植物が枯れていくように、子どもはエネルギーを失っていきます。 放射能汚染の中に置かれてること、そのものが、子どもにとっては、ストレスです。 子どもは子どもらしく自然であるべきなのに、「汚染地域」であることの役割を知らずしらずのうちに、背をわされ、大人の顔色をうかがって、言っていいことと悪いことを考えながら行動するようになったりもします。 つまり子どもなのに大人のような行動を強制されることがあります。 兄弟が病気なのだから、あなたは我慢してちょうだい、ワガママ言うなんて悪い子ね。 お母さんも具合わるいのだから、あっちへいっていて。 あるいは、汚染地域の中では、人々は抵抗力が次第に低下して、イライラしたり、忍耐力がなくなり、キレ安くなってしまうのです。 家庭の雰囲気も悪くなっても、我慢しなければいけないと、大人たちのために、自分の心を押し込めてしまうことも多いです。 しかし、保養の大切な役割として、そうしたストレスから解放して、自由な子どもとして、当たり前の生活が送れる、ということがあると思います。

子どもが二人ならんでる白黒写真の背の大きなほうの男の子の顔をみてください。 目の下にクマが入って、不信感まるだしの顔をしています。 しかし、ホームステイの里親さんのツーショット写真に写ってる同じ少年が、まったく別人のような顔になっていますね。 これが保養の効果なんだろうと思います。心が元気になれば、身体も元気になる。 この子は、いたずらばかりして、保養していた北海道の留寿都村の子どもたちをいじめたりしていましたが、最後はこんなおだやかな人相になって帰って行きました。 子どもたちが、心にしっかり愛という栄養をもらった証です。 子どもにとって愛ってなんでしょうか? 一緒にあそんだり、一緒の時間を過ごしたり、ご飯を手作りしてあげたり、自然の中での楽しい遊びを提供してもらったり そうやって、自分のために大人たちがあれこれ、してくれる。そういうことが、とっても、心の栄養になります。 愛は、効率の中にありません。 あなたを効率よく愛したわ‥といわれた人はいないでしょう? 一人ひとりとむきあい、時には大人の側の弱点もさらけだして、それでもあなたの幸せを願える私であるかどうか。 子どもを評価せず、すべて受けとめて、それを愛するということが、 人間にとっていちばんむずかしいことであるから尊いのだと思います。

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