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3.102021
100ミリの呪いをとくために…9
チェルノブイリの事故の国内での科学者同士の争い。
そこにIAEAがからんで、1ミリ(生涯70ミリ)なのか5ミリ(生涯350ミリ)の争いがなかなか、終わらず、明日の3.11までに100ミリにたどりつきたかったのですが。
一つの大きなトリックというか、人類の思い込みに、「ヒロシマナガサキ」の原爆被害の調査はちゃんとやってる…という、それです。もちろん、地球人類もとより、日本人のほとんどがそう思ってる。
そして、西洋医学はなんでも解決してくれる…という思い込みもまた、大きい。
実際に、人体についてわかってるのは、小指の先ほど、という人もいます。
高線量のことはわかっています。
どのくらい照射を受けたらどのくらいの人が死ぬのか…。それは被ばくや核実験でわかってる。
もんだいは、ちりじりに散った死の灰が環境汚染したり人体に入ったりした低線量、あるいは慢性被ばくについては、ほとんど解明されていない、というか隠されてきた、とういか、隠せる。
旧ソ連の核事故や日本の黒い雨、フクシマ、ビキニ。
あえて、がんの話にしかフォーカスさせない。
しかし、チェルノブイリ事故のときの、旧ソ連の科学者たちは、小児甲状腺がんの増加と、さまざまな人々の病気が土壌汚染と連動してることはつかめていました。
綿密な土壌測定をしましたから。
今でも思い出すのは、あるホームパーティに招かれたとき。奥様は60才ぐらいなのに、80才ぐらいに見えるご主人。しかも全身皮膚病で椅子に座ったらすわったキリ、身動きもようできない。
当時は私も、そういう被ばくされたかたの、バリエーションある症状に出会いきっていたわけではないので。「どうしたんですか?なんの病気ですか?」って聞いたら、チェルノブイリ事故のときから3年間びっしり調査に入ってて、そのあと、こうなったと。科学者の方だったんです。
日本人と話すとき、ベラルーシの人は、こういう体調不良について、何か改善できることを知ってるのではないか…と期待するんですよね。私も言いましたよ。「落語というのが日本にあるけれど、落語をきいて楽しく笑ったあと、血液検査したら、抵抗力があがってたと」。科学者が言うときは、ニコニコ笑えってのは、何も考えるな、笑ってヘラヘラしてろ、ってことですよ。
日本はこういう症状の被ばく者を切り捨ててきたんですよね。それは科学なんでしょうか?チェルノブイリの人たちが助けてほしいときに役立たずだった。
IAEAがおかしな動きをしてると気づいたベラルーシやウクライナの科学者や医学者たち、多くの住民運動(KGBのもとで難儀はしてましたが)、ソ連独自の「チェルノブイリ法」の制定に動き出していました。
(イラストがヘタでわかりにくいですが、土壌測定のときに、円筒形の特殊な採取器具を使っています。)